NHL年間試合スケジュール
シーズン:
10月上旬〜4月中旬
プレーオフ:4月下旬〜6月中旬
チャンピオンシップゲーム:スタンリーカップ
チーム数: イースタン(東) 15、ウエスタン(西) 15、全30チーム
プレーオフ出場チーム数: 各カンファレンス8チーム、計16チーム

『氷上の格闘技』とも呼ばれるアイスホッケーは、他のいかなる団体競技よりもスピードに富み、激突の迫力もすさまじいスポーツ。近年アメリカで人気が急上昇している観戦スポーツです。敵と味方、ゴールキーパー(アメリカではゴーリーと呼ぶ)を除いて10人の戦士たちが、平均時速52kmで氷上を駆け巡りながら壮絶な戦いを繰り広げます。スティックから放たれるパックの速さは時速190〜210km。メカを使用していないスポーツでこれほどスピード感溢れるスポーツはNHL以外にはありません。これらの数字は日本リーグの選手と比べ、選手の速さで2割り増し、パックの速さで3割り増し。ただ、全員がスティックという道具を持っているため、時にはそれが選手たちの凶器に変身することもあります。これが『氷上の格闘技』といわれる所以です。

1度ファンになった人は二度と離れられないとも言われるNHL。流行やブームに躍らされるスポーツファンが多い日本でも、一度アイスホッケー観戦の魅力を知り、以後ハマってしまうファンが急増しています。特に若い女性層をメインとしたファンが急増している事実は、NHL観戦ツアーの新しいマーケットを広げるための戦略的基本要素に十分成り得ると思われます。

NHLはアメリカ・カナダ2カ国にまたがるリーグで、全30チーム(アメリカ24チーム、カナダ6チーム)から構成されています。セントラル、ノースウエスト、パシフィックの各ディビジョンから成るウエスタン・カンファレンスと、ノースイースト、アトランティック、サウスイーストの各ディビジョンから成るイースタン・カンファレンスとに分かれ、各カンファレンスにはそれぞれ15チームずつ所属しています。

シーズンは10月から翌年の4月まで、各チームが82試合の公式戦を行います。各カンファレンスのディビジョン優勝チームと、優勝チーム以外の勝率上位5チームがプレーオフの出場権を得ることができます。4戦先勝のプレイオフを勝ち抜いた両カンファレンスの王者同士が戦うのがスタンレーカップ・チャンピオンシップ。これに勝ったチームがNHL王者の証、100年以上の歴史を誇る北米プロスポーツ界最古のトロフィーであるスタンレーカップを手にすることができます。


NHLの背景 起源は1860年代のカナダで、軍人の間で楽しまれていた冬の遊戯とする説があります。ルールが整えられたのが1880年前後、NHLが発足されてから50年以上が過ぎ、現在カナダより6チーム、アメリカより20チームの合計26チームから成るビッグなプロ・リーグになっています。 1980年代にはウェイン・グレッツキーをキャプテンにエドモントン・オイラーズが黄金時代を築き、観客動員数を年々倍増させていきました。グレッツキーに並んで黄金時代の開花に貢献したのが、ピッツバーグ・ペンギンズのマリオ・ルミュー。そしてペンギンズがエドモントン・オイラーズの選手たちに金銭によるトレードで引抜きをかけ、それ以来、全NHLチームは仁義無き戦いの時代に突入していきました。 1987年にロサンゼルス・キングスへ移籍したグレート・グレッツキー(ウェイン・グレッツキーのニックネーム)は、その後セントルイス、ニューヨーク、(96〜97年シーズンより)へと移籍、1999年に引退した後に彼の背番号である99番が異例のリーグ全体での欠番とされました。

日本との違い 日本リーグのルールやオリンピック規定と大きく違い、NHLはスピードとパワーをもっとアピールするためにリングが約2割近く狭くなっています。それ故、当然クロス・プレーも多くなり感情を交えた乱闘シーンも多くなってきます。そしてコーナー・エリアの"R"と言われるカーブを大きくとることで、コーナーに当たるパックがスピーディーにエンドゾーンやサイドから滑り出るようリンクが設計されています。また、観客が興奮した状態をなるべく保つために、審判による試合の中断を極力無くすよう、レフリーの指揮権が強くなっているのも事実です (つまりアドバンテージをレフリーが常にコントロールしているのです)。 このように、NHLならではの規定・傾向によってアメリカらしいアイス・ホッケーが楽しめるというわけです。

NHLチケットの入手 入手の難しさは"異常"の一言で、NBAより厳しい状況です。アメリカ国内における会場はほとんどバスケットボール(NBA)と共有している場合が多いのですが、リンクの面積はバスケットコートよりかなり大きいため、必然的にその収容人数が減ってきます。よって、券面値も高くなり相場も高騰するのです。例えて言えば、日本の大相撲千秋楽の観戦と考えて頂ければ、その困難さが解ってもらえると思います。